らぁ麺のメカニズム

フジテレビCSの「ばら・す」という番組でちゃぶ屋の醤油らーめんをばらしていた
らーめんを作る側からの視点で、ひとつひとつの食材やなんかをいちいち説明してくれる60分の番組
そりゃ60分も醤油らーめんのメカニズムについてやってたら感動もするわな


スープはやっぱりらーめんの命です
寸胴の中でスープがこうなっているっていうのが頭の中に設計図としてイメージ出来てるんだと
「旨味の層」ってのが存在してて、ひとつひとつの食材には理由がある
魚ひとつとっても、この魚にはスープに対してこういう効用があって逆にデメリットもある
この魚と魚は相性が悪い、など様々
魚だけにとどまらず、ニンニクは鶏の臭みを、ショウガは豚の臭みを取り除き、リンゴが旨味に丸みを帯びさせて、全ての旨味をタマネギがつないでいる
そんなメカニズムなんだと
まぁそれは調理学校やらなんやらで専門的に勉強する分野だから素人が聞いても何もわからなかったけど
でも、だからこそ限定らーめんのような形でいろんな種類のらーめんが作れるってのがわかった
魚ひとつとってもアゴ、カツオ、サバ、サンマ、イワシ、ウルメ、タイなど様々で、イワシの中でもカタクチイワシだとか何種類もある
そのたくさん候補がある中でこれとこれをピックアップして使うとこういうらーめんになります、なんてのを頭の中で式のように計算して、実際作ってみたスープがそうなってるのか、などいちいち面白いんだと思う
鶏だって、シャモロックなのか名古屋コーチン比内地鶏とかいろいろあるじゃないですか
そういう探求って永遠に終わらないですからね
いろんなものを試して試行錯誤して自分の最高と思うスープを作るのも面白いと思うし、いろんなスープを試して作ってみるのも面白いと思う
さらにここまでは「出汁」の製法であって、さらにそこからカエシにまたこだわる訳ですからね
らーめんって一体どんだけの食材を使ってるんだろうという話です


また、自家製麺も製法はさまざま
3種類の小麦粉をブレンドすることによって、スープが進化した時にその変化にブレンドの配合さえ変えればついていけるんだと
切り番って、3cmの中で何本麺が作れるかによって決まるんですね
単純計算で、切り番/3cm=一本の麺の太さ、ですね
これでようやく26番とかいう麺の切り番の意味がわかった
勉強になります


そして具だ
具はいろいろ遊べるからいいよね
その店主の趣味がもろに出ると思う


丼も高くすることによって香りを客の鼻まで届きやすくするだとか、縁を麺の太さと同じにすることによって違和感を感じさせないとか、陶器自体の厚さを最小限まで抑えることによって熱を奪わないとか、いろいろ工夫されているんだなぁと感じた


一番目からウロコだったのは「味抜け」に関すること
スープにはグルタミン酸コハク酸イノシン酸などさまざまな旨味が凝縮されているために「酸性」である
逆に麺はかん水にナトリウムやマグネシウムが含まれていることから「アルカリ性」である
よって、スープに麺が投入されたその瞬間からスープは劣化する
旨味成分の元となる酸が中和されてしまう訳ですからね
一般的に言われているスープの寿命は「3分」
だから旨いらーめんを喰いたいと思うなら店員はトッピング乗せる作業をより迅速に、客は提供された瞬間に写真撮影などやってないで食べ始めることが肝心になってきます
しかし現実的にはそれは「理想」にすぎない
スープの劣化を抑えて寿命を延ばすために2つほどちゃぶ屋では工夫がなされている
ひとつはかん水に含まれるマグネシウムを少なくすること
かん水は大きくナトリウム成分が溶けた水と卵と塩から成っている
マグネシウムは中でも食塩に含まれているんですね
よって、マグネシウム含有量の少ない塩を使用している訳です
多い塩ではマグネシウム含有量が3%にものぼるんですが、ちゃぶ屋では0.02%のものを使用
これで寿命が延びる訳です
そしてもうひとつ、麺の茹で湯にレモンを浮かす
レモンに含まれるクエン酸などの酸はpHが2〜3で強い酸性を示す
それを茹で湯に浮かせることで本来アルカリ性である茹で湯を弱酸性、最悪でも弱アルカリ性に出来る訳です
これら2つの工夫でスープのアルカリ性化を防ぎ、劣化を防ぐ
これだけの工夫をしても寿命は30秒ほどしか伸びないそうですが


今まで素人なりに食べ漁ってただけでしたが、こういう目線を知るとより一層面白くなりますね
麺がスープに入るだけで劣化するなんて驚愕の新事実すぎて驚きです
護国寺にあるちゃぶ屋本店に行ってみたくなりましたね
ちゃぶ屋がこれだけ工夫してるんですから、他の店の工夫も知りたいですね
茹で湯にレモンが入っていたらテンション上がりますw


いやぁ、奥が深いです
ラヲタとして成長できました。



(Y´∀`)< 個人情報洩れ過ぎだろ