創麺業 磯部水産@吉祥寺

昨日分です


確か3年前の6月に、楽々の定休日であった月曜日を利用してセカンドブランド「創麺業 磯部水産」がスタートしました。
第1週からお店に行き、毎週毎週変わったらーめんを出してくれる店ということで「楽しむ」「勉強する」という名目で月曜日に通う日々が続きました。
日曜日の夜、店主ブログを訪問して明日の自分の昼飯をチェックするのが楽しみで仕方ありませんでした。
オープン当初は現社長である磯部さんが手がけたらーめんが多かったものの、だんだんと主導権はスタッフにも移っていきました。
当時の実質店長だった野村さんが作る、シンプルながらもどこかに楽々さを取り入れる一杯。
楽々の分店の店長として活躍の場を広げた柴田さんが作る、正統派ながらも素材にこだわって既存を見事にブラッシュアップさせた一杯。
そして、野村さんが去った後に店長となって、独創的かつクオリティも高い、まさに他店では真似できないオンリーワンの一杯を作り続けた伊東さん。
私のラーメンの味覚は、柴田さんと伊東さんによって形成されたものだと信じて疑いません。
そんな伊東さんが、楽々を卒業されることになりました。
今週の磯部水産は伊東さんの楽々への最後の出勤日。
当然、彼が楽々の厨房で作る最後の一杯となります。
牛・豚・鶏・煮干し・香味油・・・
どんな素材であっても簡単に扱ってしまう奇才は最後にどんな爪痕を残すのでしょうか。


とまぁ、伊東さん卒業な訳ですよ。とうとう。
聞かされたのが6月くらいで、そこからは残り少ないけど積極的に楽々に通おうとして。
ついに最後の日が来てしまった。
俺が楽々行く意味って、もはやらーめんを食べることよりもスタッフの方と話していろんな情報仕入れたり楽しい会話することだったから。
本当に悲しい。
クリームチーズとトリュフオイルの鶏白そば」とか「武蔵野うどん風つけめん」とか「塩トマ豚骨」とか「海鮮焼きそば風油そばつけめんwithパン」とか、へんてこならーめんばっかり日々考えて作ってるかと思いきや突然あまりにも正統派すぎる普通においしい比内地鶏のらーめんとか作るからもうこの人奇才かと。
ラーメン業界においてイトウという名前は重鎮が多過ぎるなんて嘆いていたけれど、この人も正当に評価されれば重鎮になれるのにとずっと思っていた。
だからこそ、楽々という確立されて今後評価が良くも悪くも不動である地位にいるより卒業して新しい地位を勝ち取って欲しかった。だから楽々の卒業に関しては私は肯定的。
新店作ったりラヲタに受けのいい店とコラボとかしない限り、舌の肥えた情報網あるフリークに食べてもらえる機会はなかなか創造できないものね。


この日はバイト15時までだったけど伊東さんラスト勤務というのが急な告知だったもので、すぐに14時までにしてもらった。
バイト終わってから急いで着替えて訪問です。
14:25到着、先客5名ほど
カウンター席には常連さんがビッチリ座っていてもしかしたらテーブル席になってしまうかもなんて思ってたけど、そんなことなく無事にカウンター座れた
でも昼営業終わりの15時までひっきりなしに常連さん来て一言残していったけど。
やっぱりみんな伊東さんの作るらーめんには一目置いてるんだなぁ
「日向鶏と三元豚の中華そば(800円)」の食券買って味玉つけてもらいます
伊東さん最後のらーめん、なんと意外にもシンプル!
宮崎の日向鶏と山形の三元豚を使った醤油らーめんです
新店も鶏ベースの普通〜においしいらーめんと、普通〜においしい豚骨らーめんが中心だって言ってたし。
もしかしたらそれぞれにこれらの食材を使うのかもね。
三元豚で豚骨らーめん作るなんて原価率すごいことになりそうですがw
食券を柴田さんに渡すと「ラブメン大です!」なんて言われて。
それに対して伊東さんが「野菜マシマシで!」とか言って。
「PGありありで」なんて俺も乗っかって。
この2人のスタッフさんの掛けあい、めっちゃ好きだったんだけどなぁ。
今日で最後かな。


あざやかならーめんです。

まずスープ!
んー、鶏の旨味がいいですね!
この日向鶏という銘柄、カロリー低くて脂分が少ないというのが売りだそうで。
普通の鶏ガラならかなり味出る量で仕込んでるのに、あっさりしたテイストに落ち着いてるらしい。
だからかは分かりませんが、普通の鶏醤油と違って鶏油由来の旨味というより鶏肉そのものの旨味?
ちょっとアプローチの仕方が違いました。
鶏の旨味で突っ走るというより、醤油としっかり歩調を合わせて味を出しているという感じ。
非常に好感の持てるタイプのあっさりらーめんです。
その鶏とカエシのタッグを三元豚の甘みがしっかりサポートしているという感じですかね。
非常においしい。
この重厚な旨味の出し方はやっぱり伊東さんらしいなぁ。。
麺は乱打ちの極太麺。あっさり醤油と合わせてるから喜多方らーめんを彷彿とさせます。
これもうまいね。
三つ葉や白ネギなんていう伊東さんらしくないトッピングもこのスープならしっかりと映えます。
チャーシューは、これ三元豚使ってるのかな!
この店では初めて食べるホロホロタイプの厚いものでした。おいしい!
スープもゆっくり堪能しようとしたけど美味しかったからゴクゴク汁完してしまいました。
飲み終わった時の虚無感やべぇ。
カウンター越しに伊東さんの顔見ること、もうないのか。
水をゴクリと飲んで静かにコップをカウンターに置きました。


81点
最後の最後で伊東さんらしくないシンプルで正統派な醤油らーめんだったけど、食べてみるとやっぱり旨味の出し方とか、他では真似できない感じ。さすが。
素直においしかった。
伊東さんも、「らーめん全然食べてない人がこれ食べてもどこにでもあるような普通のらーめんだって思うと思う。化調使った方が絶対旨いもん。でも、ある程度食べてる人にはこのらーめんの良さを分かってもらいたいなという気持ちはある。それが分かってくれたら嬉しい。」みたいなこと言ってた。
素直に「今まで僕の味覚を形成してくださってありがとうございました。」と伝えた。
お世話になりましたと言われて、なんだかこっ恥ずかしい気分。
これからは楽々に通いつつも伊東さんの新店にも通わないといけないから大変だなぁw


ってことで新店情報。
三鷹食堂 いなり」。9月下旬オープン。
2種類のらーめんを中心に、食堂らしく定食メニューとかもやるのかな?
伊東さんの兄は三鷹で海鮮系の居酒屋営んでいるので、両鷹が三鷹に揃うって訳ですな。
ほんの微力ではありますが、三鷹のらーめん屋で定食メニューも出している「らーめん ぺぺ」の定食メニューを調査してきてその報告とかもしてたから、いなりには人気になってほしいです。
おそらく目新しさはないと思うけど、分かる人が喰ったら絶対に「うまい!」となるらーめんを伊東さんは作ってくれると思う。と思う。
目標は、オープン初日の最初の客になることです。
wasted timeみたいにプレオープンとかするのかな?
だとしたらそれも行くけど!!!