餐 くろ㐂@浅草橋

6/20分です


とてつもない感動を再びこの店から享受したので、数杯ふっ飛ばしてこの一杯のレポです。


くろ㐂では味噌らーめんはおろか、塩らーめんに非常に感動しまして。
そして鴨そばにも感動しました。
この店の一杯にかける思いや、決して流れ作業ではない魂のこもった「おもてなし」を感じるところに魅力を感じております。
もはやラーメン屋の域を越えてる、私はそう思います。
店単位で選ぶのであれば、都内でも一番か二番目に好きな店になるでしょう。
そんな店が、6/20に2周年を迎えました。
ということで、この日限りの限定「三年目のかけそば」を提供するとのこと。
今までこの店では限定は数多く出てきましたが、周年記念の限定となると話も違う。
スタッフも4月から新体制になって、この限定が出来るまでを店主ブログで事細かに報告。
ここまでされたら食べない訳にはいかないですよね。
年に数回、本気出して並ぼうと思うんですが、そのジョーカーをこのために切ることにしました。


さて、三年目のかけそば。
昼限定150杯、夜100杯のみの提供です。
昼は行けなかったため、夜シャッターすることに。
天気は生憎の雨。これで並びが減れば個人的には好都合です。
18時から夜営業始まるので1時間シャッターは覚悟!
16:55到着、シャッター待ち4人
5人目でまぁほっとはしたんだけど、ちょうど店の前の屋根があるところに並べるのが4人まで。
おかげで1時間ずっと傘をさしながら待つはめになりました。
くろ㐂のことだから、店内で待ってていいですよみたいな神展開期待したんだけどそれは叶わずw
1時間耐え忍びました。。。
途中、ソラノイロの店主の宮崎さんが店の中入っていって2周年おめでとうの品をプレゼントしていました
店入った時にはもう早速券売機の隣に陳列されていたよ
そして宮崎さんはそのまま列へ接続・・・
後から知ったけど、後ろの列には元ラーメン高校生の山内君とか与ろゐ屋の店主とかも並んでたみたい
なんか・・・すごいですね
そういう、みんなが注目する至高の一杯をこれから喰えるんだと思うと手に汗握ります
開店数分前になるとスタッフさんが出てきて列の一人一人に整理券を渡していきます
さていよいよ開店です!
食券機で「3年目のかけそば(1000円)」の食券を押す
緊張しながらカウンター席に座る
もうなんだかね・・・
手を膝の上に置いて調理光景を見てるんだけど、客みんなの視線が黒木さんに釘付け
誰も携帯なんて触ってない。
言葉を発さずともみんな同じ気持ちなんだってことが分かります。
これから出てくるらーめんのハードルを上げまくって、いざ食してみるとそのハードルを容易く越えていくのだろうと楽しみにしていること。
厨房にもどことなく緊張感が。
この店でらーめんを待っている時間はものすごく心が躍ります。


いよいよご対麺。

見てください、このシンプルな見た目。
塩ダレにコンソメスープを合わせて、トッピングはたったの4種類!
「これはコンソメスープだよ」と言われてらーめんのスープを飲むのは初めてな気がします。
緊張しながら一口。
・・・またやってくれた。
もう何百、いや4桁以上のらーめんを喰ってるけど、まだ食べたことのない未知の味ってあるんですね。
スープ一口飲むだけでもう手放しで称賛です。旨過ぎる。
ちょっとあまりにも形容し難い旨味なので評論というより紹介文になってしまいますが。
牛のケンネ脂とダボ脂の香味油、そして野菜たっぷりの塩ダレをコンソメスープで割ったという構成です。
とにかく動物系の溢れる旨味がすごい。
全く油っぽくないのに旨味だけなぜかジューシー。
コンソメスープだなんて飛行機の中で飲んだ覚えしかないのだけど、出汁からしっかりとるとこんなに肉の旨味溢れる美味しいスープだったんですね・・・
本当にこの店はらーめん屋じゃなく料理屋だ。手抜きを一切感じない。
そりゃ旨いものが出てくる訳だよな。
そして細麺。小麦はハルユタカ100%の特製麺だそうで。
これが本当に。もう。
細麺なのにここまで芳醇さを感じさせてくれるかという素晴らしい麺。
主張強すぎないスープなので、麺とスープ、双方の良さを引き出し合ってますね。
たった4種類しかないですけど、それでもこれらのトッピングも麺と一緒に食べていくとおいしいです。
新タマネギ、そして蕎麦の芽の茎、絹さや、刻まれたトリュフ。
中でも絹さやの甘さは際立ってたなぁ・・・
シャキっとした食感もさながら、口の中に残らずにふわっと香る甘さ。筆舌し難い。
トリュフはまぁ・・・きのこだなって感じw
途中、このトリュフを混ぜてお召し上がりくださいとの説明があったが、今の段階でシンプルな旨さを体現した素晴らしいスープなのでギリギリまでトリュフはその場にとどめておいた。
思い出すだけでこの輝かしい旨味は幸せになれるなぁ・・・
テーマはシンプル、と言ってますよ。店主は。
確かに見た目はシンプルです。
でもこのシンプルに見せかけた旨味の中にはとてつもなく複雑で面倒な作業がある訳です。
そういうのを面倒くさがらずにひとつひとつ丁寧に作業することで、この一杯が出来あがる訳です。
1000円なんていくらでも出そうと思うよね。
昼来てたら夜も来たいって思うよね。
はぁ・・・
トリュフを混ぜながらため息が漏れました。
「胡椒も合いますよ」と黒木さん言っていたが、胡椒なんてかけるはずもなく。
そのままの味を最後まで楽しみました。
汁完してしまうのがもったいない。
この時間が永遠に続いたらいいのに・・・!
ってことで汁完。
ごちそう様でした。


91点。
感動した。
くろ㐂に行く度に、自分の中の「ラーメン」の域を越えたものが出てくるかららーめんの範疇が広がる。
本当にこの店は偉大だ。
ラーメン業界が、舌の肥えた美食家達に誇れる店だと思う。
らーめんだなんてたかが800円くらいの貧乏人が食べるものとか思ってるような金持ちに喰わせてやりたい。
黒木さん、らーめん業界に来てくれてありがとうとまで思えてくるよね、ここまでくると。
帰り、並びの列を数えてみたら50人近くいた。
雨の夜、それも平日ですよ?
とんでもない店だ。
でも、もっともっと旨い一杯を黒木さんなら作れる気がする。
もっともっと今後に期待です。