経験

野球の試合のダイジェストのナレーションの原稿を考えた
将来まさにやりたいことだったから、すごく嬉しかった


1回から9回まで、内野席最上段でずっと撮影
リアルタイムにそれを編集していき、ハイライト動画を作る
みんなが優勝パレードだのなんだのやってる中、すぐに祝勝会会場に向かい、作業
式の司会進行を担う二人は緊張しているし、PAの人は舞台設置などに追われて機材のメンテナンスや準備をしている
6年ぶりの一大イベント、勝手を知ってる者がいなくて緊張してるのか、いつもよりおしゃべりも多い
僕達は必死にノートパソコンに向かい合い、試合の中のどの場面をどのカメラで撮った映像で使うかを吟味する
あーでもない、こーでもない。このバントのシーンは省けるのではないか、観客の喜ぶ姿をここで入れたい。
この映像が、祝勝会で野球部ナイン達や1000人を超えるOBや現役生の前で流れる
そう思うと、仕事の重大さに気付き、顔も自然と引き締まる
ここから、ナレーションを考える
映像に音声を入れる暇などないので、ナレーションは影マイ。裏の別室でその場でマイクを使ってナレートする
「優勝がかかる大一番、第三戦。早稲田大学の先発は絶対的エース、斎藤。しかし慶應は2回、先頭の4番伊藤が三遊間を抜けるヒットで出塁。続く5番高尾がきっちり犠牲バントを決め、・・・・・・・」
スコアブックを頼りに、状況を分かり易く文章にしていく
テントの中で夜風に晒されながら、僕らは文章を作り上げていく
この文章ひとつひとつがそう時間の経たないうちに1000人以上の耳に届く
校内には演奏隊やチアリーダー達の行進が入ってきて、盛り上がりを見せる
そうして式典が始まる
文章の完成まで、残すはあと3イニング分。
しかし、ハイライト動画の放映の時間になってしまった
急いで中庭のテントから移動、特設スタジオに2人で入る
もう一人は1日目、2日目の原稿を生でナレーション
そのすぐ横で、3日目の試合のラスト3イニングの原稿をノートパソコンに打ちこむ作業が始まった
時間との勝負
隣では、もう1日目の原稿を読み終えている。
慣れないキーボードでのタイピング。焦る。手が焦る。頭が焦る。事の重大さに、焦る。
中庭では生徒達の大きな歓声。我が校の得点シーンの度に歓声が起こり、相手校の得点シーンの度にブーイング。
その裏ではたった2人が、必死に落ち着きはらって作業をしている
戦い、だ。
なんとかタイピングを終え、隣にパソコンの画面を見せる。
「ここまで好投の福谷、4年生ピッチャー田中にボールを託します。9回ウラ、2アウト1塁。一発が出れば同点の場面で、迎えるは早稲田大学4番、杉山。そして田中の投じた3球目。力ない打球がショート渕上のグラブへ。ウイニングボールがセカンド湯本へ送られ、ゲームセット。この瞬間、慶應の6年ぶりの優勝が決まりました。慶應大学東京六大学春季リーグ、優勝おめでとう!!!」
隣の声が聞こえないくらいの、中庭での高揚っぷり。大仕事だった。人はこういう時に胸をなでおろすのだろう。
がっちりと握手を交わし、テントへと帰る。讃美の中、PA陣とハイタッチを交わす。
その後はすぐに司会進行の2人の応援だ。


まるでドキュメント番組を見ているようだった
一大イベの舞台裏!みたいな。
多くの人が楽しんでる裏には多くの人の苦労と緊張と努力があって、のようなドキュメント
その番組の中に、自分が出演している感じ
ふわふわした感じ
三者的ポジションから自分を見ている感じ


みんな頑張ってる
その中に自分も加われたことが何より充足感になった


3日間、とても満喫させていただきました
とくに3日目は一生の思い出になった
いろんな人にありがとう、お疲れ様、おめでとう。



(Y´∀`)< くっせー文章だなこりゃはずかしいよ